泌尿器科では、泌尿器の疾患や異常を対象としています。
症状がないのに健診や人間ドックで尿潜血陽性と指摘され精密検査を勧められたことはありませんか?もちろん検査しても異常が見つからないこともありますが、これを契機に腎炎などの将来腎機能が悪くなる可能性のある疾患や泌尿器系のがんなどが見つかることがあります。
血尿には2つのタイプがあり、見た目は普通ですが、顕微鏡で初めて血尿が発見される顕微鏡的血尿と、目で見て色調の変化が判断できる肉眼的血尿があります。
血尿の原因は腎・尿管結石などの尿路結石、膀胱炎などの尿路感染症から膀胱がんなどの悪性腫瘍までさまざまな原因があります。
また蛋白尿を伴っている場合、糸球体腎炎など内科的な疾患が見つかる場合があります。その他、膀胱がん、腎がん、腎盂尿管がん、前立腺がんなどの悪性腫瘍も血尿を契機に発見されることがあります。
特に目で確認できる、いわゆる肉眼的血尿を伴い、痛みなどの症状が全くない場合は膀胱がん、腎盂尿管がんなどのいわゆる尿路上皮がんがみつかる場合があります。特に喫煙される方で、40歳以上の男性では尿路上皮がんの危険性が高いとされています。
血尿出現時には放置せず早めに泌尿器科専門医を受診する必要があります。
まず尿検査を行い、顕微鏡で本当に血尿があるかを確認します。
その他、腹部超音波検査(エコー)で腎、膀胱などを観察し、尿細胞診という尿中の細胞成分を調べる検査や採血を行います。これらの検査で異常があればCTやMRI、膀胱鏡を行います。特に喫煙者で肉眼的血尿がある場合は膀胱がんの疑いがありますので、膀胱鏡という内視鏡検査を行う必要があります。
当院では胃カメラのようなやわらかい電子スコープを用いた検査で膀胱内を観察しています。いずれにしても早期発見をすることで、体に負担の少ない治療が可能になりますので、尿潜血が指摘あるいは血尿を自覚したらまず尿検査を受けましょう。
血尿の診断には通常中間尿を使います。また採尿前は激しい運動は避けましょう。
女性で生理中の場合は申告するようにしましょう。
また女性では尿道を清拭するため温水洗浄機トイレ(ビデ)による清拭が望ましいとされています。
夜間排尿のために1回以上起きなければならないという訴えですが、本人または介護者が治療を希望していることが必要で、本人の生活の質(QOL)の低下になっていなければ問題ないとされており、通常2回未満は正常とされています。加齢とともに頻度が高くなると言われています。
夜間排尿回数は、寝ようと思って床に入ってから起きようと思い床を離れるまでの排尿回数を意味しますが、朝起床後1回目の排尿は夜間排尿の回数にはカウントされません。一方、夜間尿量とは本人が睡眠をとるつもりで就寝し、起床する意思をもって起きるまでの総排尿量とされ就寝前の最後の尿は含まれず、朝起床後の最初の尿は含まれます。
この定義はなんだかややこしいようですが、起床後1回目の排尿は夜間排尿回数にはいれないが、夜間排尿量にはいれるということです。原因として多尿、膀胱容量の減少、睡眠障害があります。夜間多尿とは起床時の尿量も含めた夜間の尿量が1日総尿量の1/3以上になることで1回の排尿量は正常です。例えば1日の総尿量が2400mlあるとして夜間尿量が1200mlなら1日の半分量が夜間に出ていますからこれは夜間多尿と考えられます。
24時間尿量が20~25ml/kgとなる水分量が適切とされています。体重60kgの方であれば1,200~1,500mlが適切であると考えられます。この水分量は飲水だけではなく食物摂取による水分量も含まれます。
脱水を気にしすぎてあるいは健康によいとの考えから過剰に水分を摂取して夜間トイレが近くなっている可能性がありますので、どれだけ水分を摂取しているか排尿日誌に記録してみてください。
夕方から就寝までに散歩を行うことで、下肢に溜まった余分な水分を血管内に戻して汗または尿として体の外へ出すことが期待できます。
弾性ストッキングの使用や横になって軽い昼寝をすることも有効とされています。
男性で前立腺肥大症がある場合はその治療を行うことで改善する可能性があります。
その他下肢のむくみがある方では利尿薬の投与が有効な場合があります。
ループ利尿薬(商品名:ラシックス、フロセミド等)を使用する場合、約6時間作用が持続するため、たとえば22時に就寝するのであれば、16時頃に内服すれば効果が表れる場合があります。高血圧治療目的にすでにこの利尿薬を内服している場合は、かかりつけの先生に相談して内服時間の変更を検討してみてください。
夜間多尿の原因としては高血圧、心疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などが関連している可能性がありますので、このような場合はもちろん基礎疾患の治療が必要です。水分過剰摂取による夜間多尿の場合は水分を控えるだけで改善します。眠前に水分を摂取すると血液がサラサラになり脳梗塞や心筋梗塞が予防できると信じられていますが、これは科学的根拠がなく、また血液の粘調度を調べた研究でも夜間水分を摂取したグループと摂取しなかったグループで粘調度に差がなかったとする報告もあります。とにかく原因がわからない場合は泌尿器科を受診してください。
CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の障害、あるいは腎機能の低下が3か月以上持続している状態です。日本のCKD(慢性腎臓病)の患者数は成人の8人に1人、80歳台では2人に1人と高齢になるにしたがって高くなります。まさに国民病とも言える状態です。
CKDがあると、脳卒中、心筋梗塞、心不全などの心血管病の発生率が高くなることが報告されています。日本人は腎臓で尿をつくる基本構造である「ネフロン」の数が少ないことが報告されています。このため日本は末期腎不全の発症率が世界でもっとも高い国のひとつであるとされています。末期腎不全に至ると透析療法や腎移植が必要となり、経済的な負担が大きくなります。そこで、早い段階から、腎臓へ影響が及ぼす血糖や血圧などの管理に介入し、透析導入などが必要な末期腎不全へ至るのを防ぐことが大切であると考えています。
メタボリックシンドロームでも、CKDが起こりやすくなるという事がわかっています。メタボリックシンドロームや高血圧の方は、肥満を改善し減塩する事が望ましいと考えられています。最近ではSGLT2阻害薬というこれまで糖尿病の治療薬として使用されていた薬剤が、新たにCKDの治療薬として承認されました。本薬剤は末期腎不全へ移行するリスクを抑制することが報告されています。健診で腎機能異常や慢性腎臓病の疑いが指摘された場合は放置せず、専門医にご相談してください。
GFR区分 (糸球体濾過量に基づく区分) |
重症度の説明 | 進行度による分類GFR (ml/分/1.73㎡) |
残された腎臓の働き |
---|---|---|---|
ハイリスク群 | 90以上 (CKDのリスクファクターを有する状態で) |
||
G1 | 正常または高値 | 90以上 | |
G2 | 正常または軽度低下 | 60~89 | |
G3a | 軽度~中程度低下 | 45~59 | |
G3b | 中程度~高度低下 | 30~44 | |
G4 | 高度低下 | 15~29 | |
G5 | 末期腎不全 | 15未満 |
日本腎臓学会編「CKD診療ガイド2012」より一部改編)
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